Ms. Seiko Fujimoto
「自分の意見を伝えるときは、他人の話にも心を開いて耳を傾ける必要があります。」
— 藤本聖香さん(慈恵会事務局長)
聖香さんは1971年に夫の仕事の都合でサンフランシスコのジャパンタウンに移り住みました。3歳のときに広島で原爆に被爆した経験を持つ彼女は、かつて敵国だったアメリカという国を、自らの目で見て体験してみようと冒険を決意しました。
しかし、戦争によるトラウマは聖香さんの心に生涯にわたって残り続けています。新しい環境に入るときは常に「歓迎されないのではないか」という不安があり、子どもや孫の世代も彼女と同じく不当な対応を受けるのではないかと常に心配があると言います。トラウマは世代を超えるのです。
それでもなお、聖香さんは世界を学び続けています。慈恵会では、日系コミュニティで亡くなった人々に関する多くの資料に目を通し、その歴史を他の人々に教えるようになりました。そこに綴られた物語は、日本人移民が多くの困難に直面してきたこと、そして今日のジャパンタウンは彼らひとりひとりの計り知れない努力によって築かれてきたことを思い出させてくれます。
聖香さんは、若い世代に「歴史を学び、共感する力を持つように」とアドバイスします。そうすることで、ジャパンタウンを守り続けることができると信じています。
取材日時:2025年3月11日
取材者:平澤もとか