Mr. Steve Nakajo
「私たちはまだ生きている。価値がある。私たちはまだ貢献する。」
〜スティーブ・ナカジョウ(Kimochi, Inc. 創設者(サンディ・モリ氏と共同)/ニホンマチ・ストリートフェア創設者(ロン、ケニー カンザキ氏と共同)/サンフランシスコ消防局委員)
スティーブさんのジャパンタウンとのつながりは、自身の持つルーツと文化背景の両方に根ざしています。幼い頃に父を亡くした後、スティーブさんは日本での生活を経験し、軍人であり教育者でもあった祖父から大きな影響を受けました。アメリカに戻った彼は、サンフランシスコのジャパンタウンに定住しました。
彼を育ててくれたコミュニティに貢献したいという思いから、スティーブさんは日本系アメリカ人高齢者を文化的に配慮した形で支援するパイオニア、非営利団体「Kimochi, Inc.」をサンディ・モリ氏と共同で設立しました。彼のリーダーシップはさらに、ニホンマチ・ストリートフェアの共同設立、2017年から2020年までのジャパンタウンタスクフォースおよびジャパンタウン文化地区の事務局長、そしてJTOWNミュージックフェストのプロデュースへと広がりました。彼は世代を超えたつながりと文化の祝う全ての人が関われる場を創り出してきました。音楽や食など様々なプログラムを通じ、スティーブさんは常に「尊厳・敬意・行動」を中心に据え、地域の代弁者・リーダーとして長きにわたってジャパンタウンに貢献しています。
将来を見据えて、スティーブさんは若者たちに関わり続け、バトンを受け継いでいくことの大切さを説いています。文化は当然に受け継がれるものではなく、積極的に守っていかなければならないと彼は信じています。そしてリーダーシップとは、まず一歩を踏み出すこと、勇気を持って行動することだと語ります。「どこかから始めなければならないんだ」と。地域の繁栄を保つためには奉仕と相互理解が鍵であるという信念に根ざし、彼はレジリエンス(逆光を乗り越える力)とクリエイティビティを大切にします。
取材日時:2025年4月1日
取材者:平澤もとか